2019年11月27日

MMT理論と現在モデルとの比較

MMTはModern Monetary Theoryの略で、現代貨幣理論と訳されています。この理論を分かりやすく説明しているものを探していましたが、Charles Hugh Smith氏の説明を見つけました。

氏の理解によると、MMTの基盤となる概念は、よりより社会を構築するために投入される資本、装置、人、資源が最大限に生かされていないのは、社会の利益になるプロジェクトへの資金が欠けているためだと主張するものです。

MMTによると、この資金はすでにあります。つまり、国がいくらでも新しい貨幣を供給できるので、政治的にそうする意志があれば、社会的に有用な大プロジェクトへの資金調達は可能であると。

現在のモデルでは、政府が債券を発行し、中央銀行が無からお金を作り出してこれを買っています。金融刺激策として、金融市場に新たにお金を投入する方法です。政府はそのお金(つまり借金)を公共投資などの事業に費やし、利息を払っています。この利息が、政府の支出を制限しています。

言ってみれば、中央銀行が無からお金を生み出し、政府へ移しているわけです。財務省発行の債券を買うことで。MMTの基本的なアイデアは、新しく発行したお金に対する利息の支払いと中央銀行のマネタイゼーションの細工を迂回し、財務省が直接貨幣を発行することだと氏は見ています。

利息の支払いを除くことで、財務省は貨幣を無料で際限なく発行できます。

ここでMMTに対する反論。

さまざまな歴史的研究で、政府が借金に利息を払うとき、金利の上昇と債務不履行の危険は上昇しても、ハイパーインフレーションは起きないということが結論されています。

ハイパーインフレーションは、貨幣の供給が急騰する一方で、物資やサービスの供給(経済のアウトプット)が、ほぼ変わらないときに起こります。貨幣が増加しても、購買できる物資やサービスの総和が変わらなければ、お金の価値は下がります。

MMTが貨幣の暴落を引き起こすかということについて、氏が見解していますが、それは次回に。




posted by シルバーちゃん at 15:41 | Comment(0) | お金のしくみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月25日

レポ金利の急上昇と金融市場の現状

米国のレポ金利が一晩で跳ね上がったというニュースが報道されていました。9月16日と17日のことです。

レポ取引(repurchase agreement)は、短期の資金調達のために、買い戻しを条件に国債などの証券を売って現金を借りるものです。借り手は、大抵は翌日に、売ったときより少し高い価格で証券を買い戻します。一時的に現金が手元にないときに金融機関同士で資金の調達を図るツールのようです。

国債などの担保を使うため、リスクはほとんどありません。だから、普通は金利が低いはずなのです。ところが、一晩で金利が跳ね上がり、パニックになりました。どこかの銀行が、一晩だけのローンに10%もの利息を払ってまでもドルを入手しなければならなかった、ということですが。

一大事ということで、短期の資金不足を解消するため、ニューヨークの連邦準備銀行はすぐに巨額の資金を投入しました。つまり、9月17日に530億ドル、9月18日に7500億ドルものお金が、レポ取引を介して、連銀から複数の某金融機関に渡ったのです。

10月11日、FED(日本ではFRBと称されるようですが)はプレスリリースで、少なくとも来年1月31日まで、この資金投入を継続すると発表しています。しかし、必要であればさらに継続するということで期限を限定していません。

これは、紛れもないQE(量的金融緩和)だとアナリストたちは一応に言っています。

いずれにしろ、リスクがほとんどないはずなのに、なぜ銀行がドルを他へ貸すのを渋ったのかということです。米国債は安全だと言われているのですが、実は二重担保によく使われるアセットということで、安全ではありません。大手の銀行はこれを知っていて、どこかの銀行がトラブっているのを察知すると、ドルの流動性が止まってしまうのです。

それからユーロダラーです。米国の外で流通しているドルのことで、FEDがコントロールも把握することもできないものです。銀行はユーロダラーを使って、さまざまな規制を回避したり、デリバティブで借り入れ資金を最大にしたりしています。それが巨額に登ります。

現在の金融市場は、まったく不透明で何が起こっているか分かりません。中央銀行がせっせとお金を投入している一方で、二重担保やデリバティブなどで複雑にからんだ市場の流動性が止まります。どこかが崩れると、一気に大火になりうるかなり不安定な状態のようです。

今の金融システムは、いずれ崩壊しリセットするときが来ると警告しているアナリストは多いです。やはり金を持っておいた方がよさそうですね。不換紙幣はいつどうなるか分かりませんから。



posted by シルバーちゃん at 17:16 | Comment(0) | 金融機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする